
公正証書ってものがあるんだ。作っておいたほうがよかったのかな。
私が公正証書について知ったのは、離婚してからずいぶん経ってからでした。
それまで、公正証書という言葉すら知らず、周りの知人との話で話題に出たことはありませんでした。
お金の話は、なかなか人に話せないですよね。特に養育費のような話は、友人との会話に出てくることもほとんどないと思います。だから、公正証書という言葉を知らないまま離婚した私のような人は、きっと少なくないはず。
この記事では、養育費の公正証書とは何か・どんな効力があるか・作り方と費用・そして離婚後でも作れるのかをまとめています。
「法定養育費制度ができたから公正証書はいらないんじゃないの?」という疑問にも答えます。
- 養育費の公正証書とは何か・どんな効力があるか
- 法定養育費制度との違いと併用の可否
- 作り方の手順・必要書類と費用の目安
- 離婚後でも作れるか・相手に頼みにくい場合の選択肢
そもそも公正証書って何?養育費に使うとどうなるの
公正証書とは、法律の専門家である公証人が内容を確認して作成する法的効力をもった書類です。
養育費の公正証書で特に重要なのが「強制執行認諾文言」です。
この文言が入っていると、養育費の支払いが止まった場合に、裁判をしなくても相手の給料や預金を差し押さえることができます。

強制執行認諾文言がない公正証書では差し押さえができません。
作るときは必ずこの文言を入れてもらいましょう。

裁判なし・調停なしで差し押さえができる公正証書は、ある意味「お守り」なんですね。
公正証書を作っておけばよかった、と思った瞬間
私が「作っておけばよかったかも。」と思ったのは、離婚して数年して元夫から養育費の減額をほのめかされたときでした。
そのとき頭にふっと浮かんだのが「公正証書があったら、もう少し立場が強かったんじゃないか」ということ。具体的な知識をしっかりと持っていたわけではありませんでしたが、「書面があれば守られる」という直感みたいなものでした。

言われたとき、何と言えばいいかわからなくて、書類があったら違ったかなって思いました。
ただ、実際に「作りましょう」と元夫に言えたかというと、正直難しかったです。お金の価値観の違いは離婚の原因のひとつだったし、必要以上にお金の話をしたくない気持ちが強かったからです。
「お金の話をするのが怖い」「相手に嫌な顔をされたくない」そう思っている方、私以外にもいるんじゃないかと思います。
「知らなかったから作らなかった。」「頼みにくくて動けなかった。」それが私の正直なところです。
法定養育費制度があれば公正証書はいらないの?
2026年4月から、法定養育費制度が始まりました。
離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、子ども1人につき月2万円を請求できる制度です。
「じゃあ公正証書なんていらないんじゃない?」と思いますよね。でも、そう単純ではありません。
法定養育費制度の注意点
- 対象は2026年4月1日以降に離婚したケースのみ(既存の離婚には適用されない)
- 金額は子ども1人につき月2万円(養育費の相場・月4〜6万円より大幅に低い)
- あくまで「取り決めがない場合の暫定額」
公正証書と法定養育費制度は併用できる
法定養育費と公正証書は併用できます。
- 法定養育費:あくまで暫定的な最低保障。
- 公正証書:合意した養育費の金額を確実に受け取れる。

法定養育費制度はまだ新しい制度で、運用の詳細は今後変わる可能性があります。
最新情報は法務省のサイトで確認してください。
養育費の公正証書の作り方と費用
作り方の手順
- 夫婦で養育費の金額・期間・支払い方法を合意する
- 最寄りの公証役場に連絡して予約を取る
- 必要書類を準備する(本人確認書類・印鑑証明書・戸籍謄本など)
- 2人で公証役場に行き、公証人と内容を確認して作成する
- 公正証書が完成
互いが遠方に住んでいる場合でも、それぞれ近くの公証役場で手続きができる場合があります。
費用の目安
公正証書の手数料は、「養育費の総額」によって変わります。
養育費の総額=月額×12ヶ月×支払い年数
| 養育費の総額 | 手数料の目安 |
|---|---|
| 〜200万円 | 約7,000円 |
| 200〜500万円 | 約11,000円 |
| 500〜1,000万円 | 約17,000円 |
| 1,000〜3,000万円 | 約23,000円 |

手数料は公証人手数料令に基づきます。
正確な金額はお近くの公証役場にご確認ください。
例えば、月5万円・あと10年払ってもらう場合:
5万円×12×10年=600万円
600万円の総額に対する手数料=約17,000円

5,000円〜30,000円程度なんだね。

弁護士や行政書士に依頼すると別途費用がかかりますが、書類の内容チェックや交渉の代行をしてもらえます。
不安な場合は専門家への相談も選択肢のひとつです。
離婚後でも作れる?元夫(元妻)に頼みにくいあなたへ
離婚後でも公正証書は作れます。
ただし、元夫(元妻)の協力が必要です。
「今さら頼みにくい」「お金の話をしたら余計関係が悪くなりそう」
そう感じている方も少なくないのではないかと思います。私もその一人で、実際に言い出せていません。

頼みたい気持ちはある。でも、言い出せない。
そういう人、多いんじゃないかな。
それでも「もし支払いが止まったら」という不安があるなら、知っておいてほしいことがあります。
元夫(元妻)が応じてくれない場合
話し合いができない場合は、家庭裁判所に養育費の調停を申し立てることができます。
調停で決まった内容は調停調書に記録され、公正証書と同じく強制執行が可能です。
公正証書を作るタイミングを逃してしまった場合
養育費保証サービスという選択肢もあります。万が一支払いが止まっても、サービスが立て替えて支払ってくれる仕組みです。お守り代わりとして利用している方も増えています。
養育費保証サービスのひとつに、上場企業・株式会社イントラストが提供するサポぴよの養育費保証があります。
公正証書で子どもを守る
養育費の公正証書について、大事なポイントをまとめます。
- 公正証書があれば、養育費が止まったとき裁判なしで差し押さえができる
- 法定養育費制度(月2万円)は2026年4月施行後の離婚が対象。公正証書と併用可能
- 作り方は公証役場で手続き・費用は5,000〜30,000円程度
- 離婚後でも作れるが、元夫の協力が必要
- 頼みにくい場合は家裁の調停・養育費保証サービスという選択肢もある
公正証書は、難しそうに見えて、手続き自体はそれほど複雑ではありません。知っていれば、選べる。
この記事が、一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

